FF13というRPGへの解答 ~ クリア後感想 ネタバレなし

とりあえず全13章クリアしました。全13章とはいっても章ごとに分量がマチマチなので、前回の記事を書いたときは半分にも達してなかったです。プレー時間は途中寄り道したので50時間をちょっと超えたぐらい。
前回は否定的なエントリを書いてしまったけど、途中から面白くてやめられなくなってた不思議!ごめんなさい!俺が悪かった!ということで罪滅ぼし的な意味で今回のエントリは真面目に書くよ!
とりあえずやりこみたくなったので売るのをやめました。生活費足りない分は、普段はあんまりやらない自炊でまかなってる。それぐらい面白かったということです。


シナリオも戦闘も本番は11章から

各所で言われてるけど、これについては本当に間違いない。11章にたどり着くまで25~30時間かかるんだけど、そこまではは美麗なCGでも眺めながら我慢してください。
シナリオと戦闘両面でのレビューを。というか主にバトルシステムについて。

戦闘編

  • オプティマ 抽象化されつつも自由度が高く緊張感がある戦闘
  • 洗練されたゲームバランス
オプティマ

オプティマがどのようなものか簡単に説明しておくと、各キャラクターはロールと呼ばれる命令セットを持っている。アタッカーのロール、ヒーラーのロール、といった具合。
リーダーは現在設定したロールの中で好きなように技を選択できるが、残りのパーティメンバーはAIが判断する。AIは結構賢いのでロールで大まかに指定したの中で最適解と思われる行動をとってくれる。
パーティメンバには事前に誰がどのロールを行うかという命令セットを準備しておく。 「アタッカー アタッカー ブラスター」で攻めて「ディフェンダー ヒーラー エンハンサー」で防御しつつ回復&バフをかけるといった感じ。
集中攻撃を浴びせることで敵をブレイク状態(防御力が激減)に追い込めるのだが、ある程度回復を無視すれば早期にブレイクできる反面、こちらがやられるリスクも大きくなる。ブラスター(魔法)はブレイクゲージが溜まりやすいが減りやすく、アタッカーは伸びにくいが減りにくいといった特徴がある。

各キャラクタは得意なロールと不得手なロールがある。ライトニングだとアタッカー ヒーラー ブラスター 最終的にはブラスター寄りになってくる。スキルを覚える順番がそれぞれ違うので、最適解がシチュエーションごとに異なる。これによってパーティを固定化させない。捨てキャラがいない。


刻々と変わる戦況で今求められているオプティマは何か?を見極めるのがこのシステムの醍醐味。

1 名前: 名前が無い@ただの名無しのようだ  Mail:  投稿日: 2009/12/22(火) 12:03:32 ID: 6UXenRar0 
俺が最高に良いと思う理由はさ、
なんつーかこの、あわただしく作戦を切り替えるのが「指揮官になった感覚」がすげえあって面白いだよ
ちょっと回復の指示が遅れるだけで致命傷になったりとかさ
逆に慎重すぎるとにっちもさっちもいかない感じとかさ
コマンド型なのに、リアルタイムでてきぱき指示しなきゃいけない、っていうあわただしさが、「戦闘の必死感」が出てていいと思うんだわ
なんか脳がいっぱいいっぱいになる感じが
落ち着いて考えるのばかりが戦略性じゃないんだな、てきぱき戦略を決定させられるのが、こんなに楽しいんだなっていう

とか思ってたらポーズが出来てちょっと萎えたんだけども、まあ俺はそういう理由ですんげえ楽しいと思うんだが



470 名前: あ  Mail:  投稿日: 2009/12/23(水) 17:53:28 ID: oUl+ブレイクしなくてもダメージ通る敵はたくさんいるし、
ブレイクなんてコツさえ掴めば簡単じゃん。
弱体や妨害使えば、敵もかなり弱くなる。
(中略)
普通のコマンドRPGの感覚でプレーをすると、言うような苦痛はあるだろうね

コツを掴んだ人だけが得られるスピード感と爽快感と達成感。
そんな戦闘。
今までのRPGの問題点

テイルズやスターオーシャンのようなアクション寄りのゲームシステムならともかく、昨今のJRPGの王道のアクション性を求めない選択式バトルの問題は、グラフィックがリアルになるほど命令を出すまで動かないのは「リアルではない」という矛盾にあったように思う。FFは昔からATBを採用していたのでリアルタイム性を押し出してはいたが、それでもゲージがたまるまでの待つのはたるい。
だからキャラクターを可能な限り動かさねばならないのだが、そのためには自由度をある程度切り捨てて抽象性を高めないといけない。
しかしプレイヤーの情報処理能力にも限界がある。プレーヤーに何を判断させるか決めないとならない。で、そこのところをいい感じでまとめあげたのがこのシステムだと思う。非常に緊張感あふれるものになった。


ただし、このゲームのバトルシステムは11章以降に調整されている。終盤に調整されたゲームにありがちなことなのだが、序盤が非常に貧相で単純な感じになりがち。同様の特徴は僕の好きな松野ゲーにありがちなのだけど、タクティクスオウガなども最初は位置取り考えて殴るぐらいしかやることがないし、ベイグラントストーリーもそう。終盤のインフレに万能感のカタルシスを見出すには、なんらかの方策を練る必要がある。
FF13ではどうしたかというと、完成されたゲームシステムから章を遡るにつれできることを引き算していって、結果として1~10章はチュートリアルになっている。


オプティマは奥深いシステムなんだけど、それでもその楽しさを伝えるにはストーリで強制的に各キャラクターをリーダーをプレーヤーに経験させて組み合わせを錯誤させている。しかしそれが一本道感をさらに演出する。なによりまずかったのが、最初の5時間は実質的にボタン連打しかやることがないことだ。
しかしそれを余りあって11章以降のFF13は非常に面白いものとなっている。クソゲーつかまされた!と嘆いている人は是非11章まで進めてみてほしい。

ゲームバランス

シナリオ進度ごとにキャラクターの成長限界があるので、レベル上げすりゃ勝てる、といったものではない。アクセサリで解決できるのにも限度がある。しかしそのさじ具合が絶妙で、とくに8章以降は非常によく調整されている。
キャラクターが成長する、というよりは、プレーヤー自身が成長していくことが望まれている。プレーヤーの腕次第でストーリー進度的には倒せない敵も倒せるようになる。
全体的な難易度に関しては、もしかしたらシリーズ中一番の難度かもしれない。その場でコンテニューができるのは、難易度が高いことへの救済策みたいなものだ。正直コンテニューできなかったらかなりのマゾゲーと化すと思う。


各キャラクタの覚える技も非常によく性能が練られていて、捨て技がない。これは今までのシリーズと比べたら大きな進歩だと思う。JRPGって戦闘力のインフレを表現するために上位互換技ばかり増えていってメニュー欄が悲しいことになることがあるし。結局、最後までプロテスのありがたみがハンパなかったし、ウォールみたいな上位互換な技はない。あったらあったで面白くなくなるとおもう。そんなバランス。


このゲームでは、防御力やMPという概念を捨て、冒険時の補給という概念を完全に捨ててしまった。だから一戦一戦がおろそかに出来ないし、全力で挑まないといけない。
ポーション残量を気にしながらダンジョンに潜って...というような楽しみ方はできなくなった。そういうのが好きな人はネトゲでやりましょう。FF14申込みましょう。


....


良い点はこんな感じ、ここまででオプティマの良い点を述べた。
次にダメな点、というか要望。

  • オプティマの演出がテンポを悪くしている
  • 戦闘中にリーダーの切り替えができない
  • 補助AIのヘイストの優先順位の低さ
  • 武器アクセサリ改造について説明不足
オプティマ切替時の演出について

このゲームでは他のゲームで技を選択するのと同じぐらいオプティマを切り替えるのだが、その演出が長く(とはいっても3秒ぐらいだが)テンポを悪くしている。
条件次第で短くなるが(ブレイクで敵を打ち上げてる最中だと0秒、演出が派手な攻撃の時は1秒)、このタイムラグの間にもリーダー以外は行動しているため、戦況を見失うし不利な状況に陥ってることもある。

あと、ちょっと上級者向けになってしまうけど、事前にセットしたものだけでなく戦闘中にもオプティマを編集できるとコンティニュー回数を減らせたかもしれない。このゲーム事前のセッティングが全てなのだが、手間はかかってもそれだけの価値があるのがオプティマのセッティング。

リーダー切り替えについて

リーダーの死亡で他が生き残ってていてもゲームオーバーになるので、事故死が多い。だから強い敵と戦う際は、結果としてHPが一番高いキャラクターをリーダーにせざるを得ない。
多少難易度は下がるが、リーダーの切り替えができてもいいんじゃないかと感じた。これは10章以前の固定リーダーを引き継いだ結果だと思うが、11章以降は難易度が跳ね上がるし別によかったんじゃない?

AIについて

このゲームの最重要補助スキルは「ヘイスト」だと思うんだけど、エンハンサーのAIはなぜだかヘイストの優先順位が低い。敵にもよるが、だいたい三巡目ぐらいまたないとヘイストをかけてくれない。
補助技を全部かけきらなくてもせめてヘイストだけは維持したいのだが、、ヘイストの優先順位が低いせいで維持が辛い。まあ、これはエンハンサを自分で操作ですれば解決する話なんだけども。

逆にディフェンダーのロールはユーザーが操作するのが難しい。どの敵が挑発された状態か見づらいせいで、挑発 → ガード というコンボを決めづらい。この辺りAIは非常にうまくやってくれる。

シナリオ編

あんまり僕が語るべきことはないんだけど、とりあえず。

良い
  • RPGらしい終盤のインフレ展開
  • 伏線の消化
  • ゲーム的な齟齬を極力抑えたゲームシーンとムービーシーン
  • TIPSでの未消化な展開

FFシリーズは基本的に奇をてらったシナリオな印象があるが、終盤は王道展開なので安心してプレーできる。
最終的にはファンタジー的な「世界を救う」という王道展開で、それなりに演出が上手くいってた

悪い
  • 一本道
  • よく分からない自己啓発
  • どうしようもない野村臭
  • 寒いキメ台詞

JRPGの特徴なんだけど、結局「お前がそう思うんならそうなんだろう、お前ん中ではな」で片付いてしまう。シナリオとプレーヤーの心理との齟齬が最後まで消えない。中盤までは群像劇が主なんだけど、各キャラの行動原理・心理がいまいちわからないので、やはりプレーヤーはおいてけぼりに。
一本道なのは仕方ないんだけど、「なぜ先に進むのか?」が明言されないことが多いので、プレーヤーは惰性で前へ前へに進むことに。プレー10時間を越えた辺りからそれが苦痛で仕方なくなる。


全体通して野村の間違ったセンスは誰得感が溢れていた。

9 :名前が無い@ただの名無しのようだ:2009/12/22(火) 14:37:19 id:RAta+2nJ0
20xx年 どういうわけかスクウェア版のマリオが開発される事になった

A「えーと。いまさら説明するまでもないと思いますが、マリオの簡単なストーリーをお話します。
 えー……平和なキノコ王国がカメ一族に侵略され……」
野村「うーん。Aちゃんさあ。キノコ王国じゃ余りに平凡じゃない?」
A「はい?」
野村「サンクチュリアス・オヴ・マッシュルムスでどう?」
鳥山「ですね」
野村「それとカメ一族だけど、僕の解釈だとあれはカメじゃないんだよね」
A「は?」
野村「あれは『殻』なんだよね。自分の殻」
鳥山「『殻を背負いし者ども』ね」
野村「それと僕の解釈では、あれは侵略じゃないくて『再配置』って呼びたいな。それと(ry」
宮本「(世界一ピュアなちゃぶ台返し)」

まとめ

シナリオに関しては、まあ日本のRPGとしてはこんなもんだろという印象。ただし野村は糞。
FFシリーズは毎度こねくり回したシステムを使うイメージがあるが、FF10FF12のいい点、悪い点を確実に一つづつ直してきたと思う。オプティマだって結局は煩雑なガンビットをある程度最適化して切り替えられるようにしてきたものだと言える。
戦闘に関しては非常に完成度が高い。おかげでまだもうちょっと楽しめる。
たぶんやりこむことで粗が見えてくるとは思うんだけど、それはまたその時に記事にします



プレイ感想記としてはゲーム実況の藤原さんのブログがよくまとまってた。
藤原のブログ FF13プレイ感想(カテゴリ別良いところ・悪いところ)