そして時は加速する

1 望遠鏡効果
一般に人は過去の出来事に実際より最近の日付をつけることが実験でわかっている。

2 レミニセンス効果
年少の頃は「はじめて」で印象的な出来事が多く、利用できる時間標識が多いため想起する量も多く、結果として最近の事だと感じてしまう。

3 体内の生理時計のリズム
体内メトロノームが加齢にともない減速していく。

この話を読んで、自分の時間感覚について、ある違和感を思い出した。

保存された秒間隔、そのズレ

僕は子供のころ、数の数え方を覚えた頃だったか、一人で暇なときに、時計を見ながら「いち、に、さん……」とひたすら数をカウントする癖があった。一人っ子で転勤族だったので、友達も少なかった、気がする。さらには、週末は親の車で遠方に連れて行かれたりして、概して暇な時間が多かった。だから、一人でよくこうやって時間を潰したものだ。


この癖は徐々になくなっていった。いろんなことに忙殺されたのだろう。大人になるにつれ、そんな不毛な事をする必要もなくなっていく。
しかし、僕の中では「当時のままのカウントする感覚」は残っているらしく、ある行為をするとき、違和感を覚えることになる。


時計の秒針をみつめる。
体が勝手にリズムを取り始める。


その度、僕は違和感を抱く。
時間が ー 早いのだ。僕がカウントしようとする感覚より、必ず早い。


当時の体が覚えていた「時を刻む感覚」と、今の秒針が噛み合ない。この感覚自体は、おそらく当時、7〜8歳のままの「刻み」の感覚だと思う。それが食い違う。確実に、早い。

3 体内の生理時計のリズム
体内メトロノームが加齢にともない減速していく。


これを身をもって感じているのではないか。
いや、僕の理解が食い違っているかもしれないが、僕自身、「時間の加速」を感じずにはいられない。

青年期を豊潤に過ごす?

青年期と成人初期はその後の人生に影響を与える重要な選択があると同時に、社会に出て「はじめてのこと」に満ちている。後から思い出すと人生のクライマックスになるわけである。10代後半から20代前半までがやはり青春なのだな。

「20歳から40歳は一瞬だ」とよく言われる。僕も21になった。多分、今が一番刺激的な毎日なのだろう。
これから、どのような人生を歩むか、まだわからない。が、「今の自分が体験しておきたいこと」がたくさんある。あとじゃダメなんだ。「いま」の自分を、もう少し大切にしたい。
なんだかやけにジジ臭い文章になった気もするが、一度しかない人生なら、最も楽しく生きられる道を選ぶ。
せめてその努力をする。その努力すら忘れたとき、僕は死んだも同然なのだろう