AdobeがHTML5に敗れる決定的な理由

学生にとって魅力がない。

Webの開発側にいる人間でFlash死ね!HTML5最高!と言っている人は正直どうかと思う。 - 村上福之の誠にデジタルな話


昔はFlashが正義だった。Flashコンテンツがこそがインターネットの魅力的なコンテンツであり、そのためには「海賊版」という多少のリスクと手間を負ってでも開発環境を手に入れるだけの魅力があっただろう。
mxcl等、フリーで使えるFlashコンパイラがあることは興味を持って調べればわかることだ。が、Flashの開発環境の魅力はAdobeの用意したオーサリングツールにこそある、と喧伝されている。Adobe自身がFlashを捨ててHTML5にシフトしようとしているのも、AdobeがオーサリングツールをHTML5に対応すればFlashエンジニアの移行が可能であるという見通しもあるのだろう。

学生にとって、現在のFlashに金銭コスト、もしくは熱意、そのどちらも牽引する要素がない以上、ハッカーコミュニティを牽引するであろうこれからの若い開発者がHTML5Flashのどちらを選択するかつきつけられた時、Flashを選ぶ理由がまったくない。
Canvas/WebGLFlashと違ってGPUの支援が受けられる、とか、学生にとってはそんなことはどうでもいい。大事なのは無料であるかどうかだ。デザイナにとっては未だにAdobeが神にも等しい存在であろうが、フロントエンドのエンジニアにとって、とくに趣味ではじめるような制約がない環境下では、Flashをわざわざ選択する理由がない。

ぶっちゃけAdobe製のソフトウェア高すぎる。ふざけんなと言いたい。いくらでも金の使途がある学生には、アカデミックパックで3000円(飲み放題単価だ)切るぐらいでないとそもそも選択肢にならない。


というのは、まあ大方僕のケースの話なのだけど、こういう選択をするのは僕だけじゃないと思う。Flashを選ばないということは必然的にjavascriptを選ぶことになるが、HTML5webglCanvas、サーバーサイドJSたるnodejs、さらにはJSの影響下にあるDart等、現在jsはとてもホットなジャンルだ。将来を見込めないFlashより、jsを足がかりにしたほうがこれからカバーできる技術範囲は大きい。


そしてFlashを捨てた開発者たちは、Adobeだけでなく同時にMSも敵に回さなくてはいけなくなる。魔法の言葉「IE氏ね」は僕らをつなぐ魔法の言葉であり、そしてその熱意をもってChromeFirefoxを布教し、これから出るであろうキラーコンテンツIEの対応を外すことによってIEのシェアを奪っていかなくてはならない。ブラウザというのは選択の余地がある、という常識を一般層に認知させたい。ブラウザ=IE=Yahooだと思ってる情弱は気づかなくてはならない。


というわけで、ご唱和ください「IEしね」。
たのむよCSS3の話だけどdisplay:box サポートしてくれれば段組の手間すごい減るんだよ