拝啓、親父へ


                          おまえがこの記事を読む前に言っておくッ!
                    おれは今、理不尽な現実をほんのちょっぴりだが体験した
                  い…いや…体験したというよりはまったく理解を超えていたのだが……
         ,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
         (.___,,,... -ァァフ|          あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
          |i i|    }! }} //|
         |l、{   j} /,,ィ//|       『おれは親父とクレジットカードの請求先について調整
        i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ        していたと思ったら、いつのまにか親父が再婚していた』
        |リ u' }  ,ノ _,!V,ハ |
       /´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人        な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
     /'   ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ        おれも何をされたのかわからなかった…
    ,゙  / )ヽ iLレ  u' | | ヾlトハ〉
     |/_/  ハ !ニ⊇ '/:}  V:::::ヽ        頭がどうにかなりそうだった…
    // 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ
   /'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐  \    催眠術だとか超スピードだとか
   / //   广¨´  /'   /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ    そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
  ノ ' /  ノ:::::`ー-、___/::::://       ヽ  }
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::...       イ  もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…



たしかpythontwitterAPIに触れて遊んでいて、そういやBOT作ろうかなーっと色々思案していた矢先、島原の叔母さんから電話がかかってきて「なんだかよくわからないけど親父に電話しろ」とのこと。


その結果がこれかよ!



親父は53歳、田舎の医者。
前の妻、つまり僕の母親とは7年前に死別しています。再婚相手は看護婦。年齢とかその他の事は知らない。
来月の頭に、わざわざ僕のところまで挨拶にくるらしいのですが、はっきり言って困惑しています。


そう、複雑な心境。




僕は、まあこんなふうにネタにしたけども、親父とは元々犬猿の仲なんですね。正確に言うと、僕が一方的に嫌っているんですが・・・。
今では離れて暮らしてるから、たまに会ったら一緒にメシを食べに行ったりします。だけど、一緒に暮らすとなるとまったく無理。というのも、僕にとって親父は、常に乗り越えるべき障害だったからです。


親父は宗教家です。キリスト教系の、日本ではマイナーな宗派です。母親とはそこの教団で出会ったそうで、今回の再婚相手もそう。
親父は医者で、しかしちょっと信憑性のないジャンルへ偏りやすい傾向があり、僕の母親が病気にかかったときアガリクスを買いあさったり(ガンに効果があると噂された茸。今では効果がないと実証された)、患者に「水からの伝言」を配ったり、ホメオパシーに傾倒したり、危なっかしい傾向を持っていますが、ただ本人は至って真面目なので患者には慕われているみたいです。不思議な事に。






僕は、そんな親父が大嫌いでした。


日曜日には教会以外への外出を禁じた親父が

16歳になるまで、旧約聖書を僕に読ませ続けた親父が

アルバイトの給料が多過ぎると、勝手に間引いていた親父が

授業参観日に、教団の合唱会の告知に声を張り上げる親父が

母の死後、僕を鬱認定し、精神科につれていった親父が

いつまでも自分を子供扱いし、己の正義を曲げず、それを僕に押しつけ、内輪ではやたら評判がいい親父が







本当に嫌いでした


母がいたころは、バランスが取れていたように思えます。僕を育てる指針は父と母が相談して決めていたそうですが、父の決める厳格なルールと、少しルーズな母親の性格が上手く調和して、のびのび育っていました。親父は忙しく、基本的に家にいなかったので、実際に育児を受け持ったのは母でした。
母の乳ガンが発覚し入院したころから、僕の心やすらぐ場所はなくなったように思えます。僕の自室の鍵は取り外され、いつ親父が入ってくるか戦々恐々とし、夜中こっそりとテレビゲームをする日々が続きました。
10歳のときぐらいからか、自分の環境が異端であると認識してからは、頭のネジがずれていったように感じます。その様子は過去エントリで書きました。

狂人を志向すること : http://d.hatena.ne.jp/miz_k/20081116/1226846530




僕が長崎からわざわざ東京の大学を選んで受験したのも、元々都会志向だったのもありますが、親父から逃れたかったという理由が大きいです。最低限度勉強していたのも、上京する価値がある都内の大学を受ける必要があったからです。これ以上親父と同居していたら・・・考えるだけでも恐ろしい。


親父とは財布の紐の関係だと思ってるし、それを当人の目の前で宣言した事もあります。昔からそう言い続けてました。今まではずっと「こいつは子供だから判断能力がない。神の意志に預かれない。だから俺が指導する必要がある」というようなことを言ってましたが、成人になっても僕の調子が変わらないので、ついに諦めたようです。
子供は親を選べませんが、隣の芝生が青いと言うのは重々承知で、「もうちょっと違った幼少期がなかったのかな」と、時折妄想したりするのですね。



親父、結婚おめでとう
僕の知らないところで幸せになってください