将来が不安

僕は時期学部二年でまだ専門も始まっちゃいないのだが「研究者への漠然とした憧れ」から一応大学院進学を希望している。しかし、将来に明るい見通しが立つ話を聞く事は、最近めっきり少なくなったように感じてしまう。

はてなホッテントリはほぼ全て目を通すのだが、院生問題、ポスドク問題、学生の雇用不安、そのような分野最も多くフューチャーされる分野の一つだ。
で、今日もこんな記事が上がっていてちょっとうんざりしたりした。記事っつーか報告だが。


□内定切りの次は試用期間切り

知人の大企業の人事が「新卒の内定取り消しすると社名まで公開されて叩かれるから試用期間中に切るつもりだ」とかいってた。ご愁傷様です、新卒の人々。


「ここ二年で経済はどん底にまで落ちる」という話も耳にする。二年!まさに僕が学部で就職活動を開始する時期じゃないか!
大学院に進学したとして、仮に博士後期まで行ったとしても、この状況が好転しているとは考えにくい。逃げるように大学院に行くのは、きっとあまり意味がないことなのだろう。それでも僕が大学院を希望しているのは、単に昔から「科学者」に憧れていた為だ。


茨の道を目指す覚悟が僕にあるのか、それはまだわからない。それについてはあと二年ほど考えてみようと思っている。添い遂げたい学問があるか、否か。
僕の基礎演習(一年次のゼミ)を担当していた教授は、ハーバード大学院卒というおそろしい経歴の方だったのだが、「博士過程に進学することは、あまり推奨しないが・・・別に構わないと思う。だが、命が惜しいなら、半端な覚悟で博士後期は行くでないぞ」と学生に念を押していた。文系の方だったが、一般論としてそれほど恐ろしい場所なのか!という感想を抱くには十分だった。

■社会に何を期待すべきか

未曾有の経済危機に襲われている現在、しかし、政治は無意味なイデオロギーの論争で機能不全を起こしている。解決すべき問題が山積みなのに、敵対政党のどうしようもない粗を探して、国会という唯一無二の場を、国会議員という国家の有力な人材を、どうしようもなく浪費している。このままで、僕らの世代が就職する際の、社会の受け皿が確保される方向に国がなんらかの動きを起こすか?ということには甚だ疑問を感じざるを得ない。また数年で効果が出るものではない。

僕は、社会の情報化がもたらすイノベーションこそが次の時代を作るものだと信じている。だから情報科に入り、この国のIT技術の進化に期待し、また何らかの方法でその道に進もうと思案しているのだが、前途は暗い。ローテクのオッサンどもが今のITインフラを有効に活用出来るとは思えないし、別にそこまで期待しちゃいないのだが、それ以外の国の基盤がボロボロになっちゃ元も子もない。


新技術の啓蒙が、いかに難しいかということも、結構身に染みて感じている。昨年、「科学技術と人間」というシンポジウムに参加した。これについては一エントリ割きたいところなのだが、軽く触れておこう。

そのシンポジウムでは、様々なジャンルの研究者が集まって、どうやって開発した新技術を社会に適用させるかと言うことを話あっていた。興味深いのは、その新技術が、一般人はともかく、研究者同士でも理解しあえていないように見えたことだ。日本人の分野の横の繋がりが薄いことは、よく指摘されることだ。研究者は、研究室で純粋培養される。だから社会へアピールする手段を持たないし、マスコミが取り上げるのはセンセーショナルなものばかりで、そして実態は全く違ったりするものだ。これについては、「脳トレ」の川上隆太教授も同じことを話していた。マスコミに踊らされて、本当にやりたいことが伝わらない、と。


情報技術は、その効用が物理的なものに依存しないように見える為、社会への訴求性がとても低い。
僕は昔からインターネットに馴れ親しんでいたが、10年ほど前、友達の家にノートPC*1を持ち込む小学生などというのは怪訝な目で見られたものだった。

■最後に一つ言いたい

あ、でも、今のケータイ文化とか、正直どうしようもなくクズだと思っているし、昔から思ってたし、僕に電話するぐらいならSkype、メール送るぐらいならTwitterで@ください


*1 親父のお古のVAIOのノートで、うろ覚えだがWindows 95、メモリは32MB HDDは800MB